医療情報コラム
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最近、「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」という病名を耳にする機会が増えています。テレビや雑誌で見かけるだけでなく、実際に家族や知人が罹ったという話を聞いたことがある方もいるかもしれません。とはいえ、実際にはどんな病気なのか、どう予防すればいいのか、はっきりと分からない方も多いようです。
今回は、帯状疱疹の原因や症状、予防方法について、わかりやすくご紹介します。
🦠 原因は「潜んでいた水痘ウイルス」
帯状疱疹の原因は、「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」というウイルスです。このウイルスは、子どもの頃にかかる「水ぼうそう」の原因でもあります。水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスは完全には体から消えず、神経節という部分にひっそりと潜伏します。
そして年齢を重ねたり、強いストレス・疲労・睡眠不足などで免疫力が低下した際に、再びこのウイルスが活性化し、神経を通って皮膚に現れることで帯状疱疹を引き起こします。特に50歳以上の方は発症率が高くなります。
💥 症状は「ピリピリ痛」から始まる

最初の兆候は、「ピリピリ」「チクチク」とした神経痛のような痛み。多くの場合、体の片側に限定して症状が現れます。例えば、胸・背中・顔など。痛みのある部分には赤く盛り上がった発疹が出て、水ぶくれになることもあります。
特徴的なのは“左右非対称”で、“帯状”に広がる点です。また、顔に出る場合は目の周りや耳にまで影響が出ることがあり、放置すると視力や聴力に関わるリスクもあります。発疹の前に「原因不明の痛み」を感じることが多く、その段階で受診することが理想的です。
🧑⚕️ 治療は「時間との勝負」
帯状疱疹は、抗ウイルス薬を使って治療します。この薬はウイルスの増殖を抑える働きがあり、症状の悪化を防ぐ効果があります。ただし、薬の効果は発症初期にこそ十分に発揮されるため、「痛みを感じてすぐ」に受診することがとても重要です。
治療が遅れると、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という、皮膚が治ってからも何ヶ月、時には数年にわたって残る神経痛に悩まされることもあります。軽い痛みと思って放っておくのは危険です。
💉 予防にはワクチンという選択肢

現在、50歳以上の方を対象にした帯状疱疹の予防ワクチンがあります。このワクチンは、帯状疱疹の発症リスクを下げるだけでなく、万が一罹った場合にも症状を軽く済ませる効果が期待されています。
接種は任意ですが、日常的にストレスや疲れを感じやすい方、既に持病のある方などには特におすすめです。「過去に帯状疱疹を経験した」方でも、再発のリスクはゼロではないため、医師と相談して接種を検討するとよいでしょう。
🌸 最後に
帯状疱疹は誰にでも起こりうる、身近な病気です。早期の発見と治療で、後遺症を防ぐことができます。少しでも「痛みが不自然」「皮膚に違和感がある」と感じたら、どうぞお気軽に当院(06-6781-0441)までご相談ください。帯状疱疹のワクチンの予約も随時受け付けております。
日々の健康は、ちょっとした気づきと行動から。皆さまが安心して毎日を過ごせますよう当院はこれからも地域の皆様の健康をサポートしてまいります。
















